写真家アーウィン・ウォンが撮る、郡上本染職人

本物の職人の姿をとらえる。人気写真家 アーウィン・ウォン(Irwin Wong)氏が見た、伝統の技・郡上本染

日本の職人を撮るため度々岐阜を訪れている写真家、アーウィン・ウォンさん。

これまで、長良川鵜飼の鵜匠や、岐阜和傘の張り師、郡上の下駄職人の写真をご紹介してきました。

香港出身のアーウィンさんは、定評のある独自の色彩感覚で職人の世界観を映し出します。

今にも職人の息づかいが聞こえてきそうな、臨場感が伝わってきます。

今回ご紹介するのは、郡上本染の職人を撮影した作品です。

天然の藍色にこだわった、郡上本染

長良川上流の岐阜県郡上市で、430年以上にわたって受け継がれている郡上本染。

嫁入り道具の風呂敷や農作業の仕事着、鯉のぼりなど、藍染めの製品は暮らしの中で使われてきました。

今回アーウィンさんが出会ったのは、

染物屋「渡辺染物店」の郡上本染職人、14代目渡辺庄吉さん。

郡上本染の特長は、

化学染料が当たり前のこの時代に珍しい、天然染料にこだわった伝統技法「藍染」と、

郡上八幡の冬の風物詩 寒ざらしで知られる鯉のぼりに用いる技法「カチン染」の2つにあります。

渡辺さんの継承する藍染は、自然の植物から抽出し発酵させた藍を10数回染め重ねることで、深く美しい郡上本染ならではの藍色に仕上がります。

昭和初期には郡上八幡に17軒あった染物屋も、今では渡辺染物店たった1軒しか残っていません。天然藍のみで染める、本染技法の手間ひまの大変さを物語っています。

目の前の作業にまっすぐ向き合う威風堂々とした姿勢、長い年月とともに染み付いた藍色の手。

アーウィンさんの写真からは、時代の変化に押し流されることなく創業当時から変わらない本染技法を継承してきた「本物の職人の姿」を感じ取ることができます。

<追記>

本記事の写真のモデルである、岐阜県重要無形文化財「郡上本染」の伝統技術保持者・渡辺庄吉さんは2018年10月24日、83歳で永眠されました。ご冥福をお祈りいたします。
<写真家アーウィン・ウォン(Irwin Wong) 人物紹介>
香港生まれ、オーストラリア育ちで、現在は東京を拠点に活躍。
アエラ、フォーブス、ワシントンポストなど、世界20か国以上の雑誌で活躍する写真家。
俳優や建築家、あらゆる業界の大物を写真におさめています。
光を強く意識して人物を撮影することに定評のある彼が、ライフワークとして撮っているのが「日本の職人」シリーズ。

鵜匠を日本のアルチザン(職人)として撮影するため、岐阜を何度も訪れています。

型にはまらない独自の世界観と色彩感覚が魅力。口数は少ないが笑顔がチャーミング。

長良川てしごと町家CASA 岐阜和傘販売

岐阜長良川の湊町 築100年の町家に  岐阜和傘の販売  長良川の伝統工芸体験  職人の製作工房 が同居する体験型工房

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