写真家アーウィン・ウォンが撮る、関の刀匠

日本刀に命を吹き込む瞬間をとらえる。人気写真家 アーウィン・ウォン(Irwin Wong)氏が見た、刀匠の世界

 日本の職人を撮ることをライフワークとし、岐阜を訪れている写真家、アーウィン・ウォンさん。

これまで、長良川鵜飼の鵜匠や、岐阜和傘の張り師、郡上の下駄職人、郡上本染職人、美濃手漉き和紙職人の写真をご紹介しました。

 香港出身のアーウィンさんは、個性的な陰影と外国人ならではの視点で職人を切り取ります。

長い歴史のなかで技を継承してきた職人のかっこよさを、独特の世界観で表現しています。

 今回ご紹介するのは、関市の刀匠を撮影した作品です。


熟練の技と職人の勘が生み出す、関の日本刀

 長良川中流の岐阜県関市で、約750年受け継がれている日本刀づくり。

日本刀を作る職人のことを刀匠(とうしょう)、刀鍛冶(かたなかじ)と呼びます。

 今回アーウィンさんが出会ったのは、

日本刀職人、26代藤原兼房(ふじわらかねふさ)さん(本名 加藤正文実さん)

 鎌倉時代末期に誕生したとされる関の日本刀の特長は、

「折れず・曲がらず・よく切れる」。

武器として需要が高かった時代から定評があり、性能・美しさ共に日本一と謳われるほど。

 鍛冶師と言われる刀匠が、刀の主要部分である刃(本体)の制作を担います。

火の粉がほとばしる鋼を叩いては折るを繰り返す、鍛錬(たんれん)という技法は、

「相槌(あいづち)を打つ」という言葉の由来通り、

修行を積んだ刀匠と腕の立つ弟子との絶妙なコンビネーションが求められます。

刀匠は焼入れが終わり反りや曲がりを修正したあと、

自ら刃を研ぐ「鍛冶研ぎ」まで入念に行います。

火や鉄の温度、鍛錬の回数やタイミング、研ぎ具合など全工程において、

マニュアル通りにはいかない「熟練の技と職人の勘」だけが頼りの刀匠の世界。


 アーウィンさんの写真からは、

今にも、鉄と鉄がリズミカルにぶつかり合う鍛錬の音が響き渡ってきそうです。

まるで日本刀に命を吹き込むかのような刀匠の気概を感じます。

<写真家アーウィン・ウォン(Irwin Wong) 人物紹介>
香港生まれ、オーストラリア育ちで、現在は東京を拠点に活躍。

アエラ、フォーブス、ワシントンポストなど、世界20か国以上の雑誌で活躍する写真家。

俳優や建築家、あらゆる業界の大物を写真におさめています。

光を強く意識して人物を撮影することに定評のある彼が、ライフワークとして撮っているのが「日本の職人」シリーズ。

鵜匠を日本のアルチザン(職人)として撮影するため、岐阜を何度も訪れています。

型にはまらない独自の世界観と色彩感覚が魅力。口数は少ないが笑顔がチャーミング。

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